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大幸コラム

亜鉛めっきの浴種について Part.3(塩化浴編)

亜鉛めっきの浴種について Part.1 ではアルカリ性、酸性について簡単に説明をしました。

亜鉛めっきの浴種について Part.2 では「ジンケート浴」について説明をしました。

亜鉛めっきの浴種について Part.3 では「塩化浴」について説明をしていきます。

塩化浴はノーシアン亜鉛めっきとしてめっき速度が速く、生産性が良いことで普及しています。

更に改良が重ねられ光沢や平滑性に優れているものも多く登場しています。

しかし、均一電着性にかけることが最大の欠点でした。

 

塩化浴の特徴
1. 高い電流効率で、水素脆性が少なくベーキング後の仕上がりの低下も少ない。
2. 高い陰極電流効率90%以上でめっき速度が速い。
3. 鋳物や熱処理、特殊鋼などにも容易にめっきができる。
4. 浴電圧が低く電流効率が高いため、電力の消費が少ない。
5. シアンを含有しない。
6. レベリング性のある優れた光沢が得られる。
7. 不純物の影響を受けやすい。
8. 前処理の影響を受けやすい。
9. 窒素やホウ素の排水処理が懸念される。
10. アルカリ浴と比較すると均一電着性に劣る。
11. アンモニウム浴では排水処理の時に亜鉛、銅、ニッケルの沈澱がしにくい。
12. バレルめっきでは浴中の鉄分の影響を受け、バレル目が出やすい。
13. 有機光沢剤を多く含むため、廃水中のCOD(化学的酸素要求量)が高くなる。

 

塩化浴には主成分の塩の種類により「アンモニウム」「ナトリウム」「カリ」の3つがあります。

その中で最も多く普及しているのはアンモニウム浴でしたが、近年アンモニウム浴に含まれる窒素の排水処理規制が厳しくなったため、アンモニウムの一部をカリにした「アンモニウム・カリウム折衷浴」が多く使用されるようになってきました。

また、カリ浴の緩衝剤として使用しているホウ酸はホウ素の排水規制が厳しくなったため、対策が必要になってきました。

この他にも塩化浴には塩化亜鉛ナトリウム浴もありますが、あまり普及していません。

 

全塩素は塩化浴の陰極電流効率、均一電着性、陰極電流効率、光沢性やめっき速度に大きく関係します。

おもに浴中の全塩素が増加すると陰極電流効率は低下します。

その一方で、均一電着性は向上します。

塩化浴では常に全塩素の規定量を管理する必要があります。

 

 

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