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大幸コラム

亜鉛めっきの浴種について Part.1

電気亜鉛めっきの浴種は大きく2つに分類されます。

アルカリ浴

  • シアン化亜鉛めっき浴

シアン浴の歴史は古く1930年頃に実用化されたといわれています。

シアン化物を使用する為、環境へのリスクが心配されますが、従来の高濃度タイプ(100g/L程度)に比べ中濃度タイプや低濃度タイプが主流となり30~50g/Lで従来の約半分程度のシアン化合物で済むことから、排水処理の負担を軽減し、環境への配慮が保たれています。

また、浴管理が容易で均一電着性に優れ浴に洗浄性がある為、前処理の影響を受けにくいとされ、主力のひとつとして君臨しています。

ウィスカーの発生も少ないとされています。

 

  • ジンケート浴

ジンケート浴は1960年代後半にシアン浴の代替として日本で最初に工業化されました。

近年ではハイパータイプの出現により、従来品と比べ高電流密度の部位と低電流密度の部位のつきまわりに差異が少なく、均一電着性に優れています。

浴組成が容易で環境の面からも排水性に優れます。

前処理の影響を受けやすい為、洗浄工程は重要です。

酸性浴

  • 塩化浴

酸性浴の歴史は古く硫酸亜鉛めっきが有名ですが、光沢剤のコントロールが難しいことや均一電着性が悪く粗雑な仕上がりになることから、一般的な工業用としてあまり普及しませんでした。

近年では光沢剤の改良により主成分として「アンモニウム」「カリ」「ナトリウム」が使われ普及しています。

電流効率が良く熱処理物や鋳物にもめっきを直接することができます。

光沢性に優れ、ベーキング後の外観に影響を受けにくいのも特徴です。

高電流密度の部位と低電流密度の部位のつきまわりに差異が大きく、均一電着性に劣ります。

 

アンモニウムを多く使用する場合、浴に多く含まれる「窒素」が排水規制のリスクになり、アンモニウムとカリを使用した折衷浴やカリ浴が主流となっています。

 

今後、製品を選択される際の参考にしてください。

めっきに関する薬品は日々、研究と開発がおこなわれています。

時代が変わり、更にハイスペックな表面処理が登場することに期待しています。

 

群馬県でめっき(メッキ)処理をお探しの際は「株式会社大幸」へご連絡ください。