Column 大幸コラム
有機フッ素化合物(PFAS)
有機フッ素化合物(PFAS)とは
有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称して「PFAS」と呼び、1万種類以上の物質があるとされています。
PFASの中でも、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、幅広い用途で使用されてきました。
これらの物質は、難分解性、高蓄積性、長距離移動性という性質があるため、国内で規制やリスク管理に関する取り組みが進められています。
PFAS(ペルフルオロアルキル化合物、Per- and polyfluoroalkyl substances)は、化学的に安定した合成化学物質のグループで、長鎖のフルオロ化炭素骨格を持ち、水や油、汚れをはじく性質があることから、さまざまな産業や日常的な製品に広く使用されてきました。
特に、防水や防汚性能が求められる製品(例えば、防水スプレー、テフロン加工のフライパン、防汚加工された衣類など)に使用されてきました。
PFASの特徴
1. 化学的安定性: PFASは非常に化学的に安定しており、分解されにくいため、環境や体内に長期間残ることが多いです。
2. 水や油をはじく性質: この特性により、防水や防汚効果が求められる製品に利用されてきました。
3. 広範な使用: テフロン(フライパンの表面加工)、消防 foam(消火剤)、化粧品、食品包装など、多くの消費者製品や産業で使用されてきました。
健康と環境への影響
PFASは人体や環境に有害である可能性が指摘されています。特に、これらの化学物質が生物の体内で蓄積しやすく、長期的な健康への影響が懸念されています。
具体的な影響には、以下のようなものがあります。
健康への影響
免疫系への影響
発がん性(特に肝臓や腎臓の癌との関連が指摘されています)
ホルモンバランスの乱れ(甲状腺ホルモンへの影響など)
高コレステロールや肥満のリスク増加
環境への影響
PFASは水源や土壌に長期間残留し、広範囲に汚染を広げることがあります。
特に地下水や河川などが汚染されるケースが報告されており、飲料水の汚染が懸念されています。
規制と対策
PFASの危険性が認識されるようになり、世界中で規制が強化されています。
例えば、アメリカやEUでは、PFASの製造や使用を制限する法律が制定されつつあります。
日本でもPFASに関する規制の検討が進んでおり、一部のPFAS化合物に対する規制が始まっています。
PFASの除去
PFASの除去方法にはいくつかの方法がありますが、非常に安定した化学物質であるため、除去が難しいです。
代表的な方法としては
逆浸透膜:水からPFASを除去するために使用される技術です。
活性炭フィルター:特定のPFAS化合物を吸着させることができますが、すべてのPFASを完全に取り除くことはできません。
高温焼却:PFASを分解するためには高温の焼却が必要ですが、これにも環境への影響が伴うことがあります。
PFASはその化学的性質から完全に除去するのが非常に難しいため、規制と並行して新しい処理技術の開発が進められています。